土井 晩翠

新澤醸造店

「或は人を天上に揚げ或は天を此土に下す」と詩の理想は即是也。 詩は閑人の囈語に非ず、詩は彫虫篆刻の末技に非ず。 既往數百年間國詩の經歴に關しては余將た何をか曰はん。 思ふに所謂新躰詩の世に出でゝより僅に十餘年、今日其穉態笑ふべきは自然の數なり。 然れども歳月遷り文運進まば其不完之を將來に必すべからず。 詩は國民の精髓なり、大國民にして大詩篇なきもの未だ之あらず。 本邦の前途をして多望ならしめば、本邦詩界の前途亦多望ならずんばあらず。 本書收むる所余が新舊の作四十餘篇素より一として詩の名稱を享受するに足るものあらず。 土井 晩翠 著者不敏と雖ども自ら僭して詩人と爲すの愚を學ぶものに非ず。 沖の汐風吹きあれて 白波いたくほゆるとき、 夕月波にしづむとき、 黒暗 （ くらやみ ）よもを襲ふとき、 空のあなたにわが舟を 導く星の光あり。 ながき我世の夢さめて むくろの土に返るとき、 心のなやみ終るとき、 罪のほだしの解くるとき、 墓のあなたに我 魂 （ たま ）を 導びく神の 御 （ み ）聲あり。 ゆふべは崑崙の谷の底 けさは芙蓉の峯の上 萬里の鵬の行末も 馳けり窮めむ路遠み 無限のあらしわが翼 空の大うみわが旅路。 空の大海星のさと 緑をこらすたゞなかに 懸かる微塵の影ひとつ 見る／＼湧きて幾千里 あらしを孕み風を帶び 光を掩ふてかけり行く。 いかづち怒り風狂ひ 山河もどよみ震ふとき 天潯高く傾けて 下界に注ぐ雨の脚 やめば名殘の空遠く 泛ぶ七いろ虹のはし。 曙の紫こむらさき 澄みてきらめく明星の 光微かに眠るとき 覺むる朝日を待ちわびつ やがて焔の 羽 （ はね...

土井晩翠

土井 晩翠（どい ばんすい、 林吉（りんきち）。 元々、姓の読みは「つちい」だったが、昭和初期に改称した 生涯 [ ] 祖父の「商人に学問は無用」という意向により進学を阻まれたが、家業に従事しながら英語の通信教育を受けた。 大学卒業後、1897年に （ また、1898年に 1900年に母校である （ 妻子に次々と先立たれたことで 年譜 [ ]• 地図） 林吉」として出生。 [ 要出典]（現在の宮城県仙台市青葉区大町1丁目）への転居に伴い、立町小学校（現・• 7月、 晩翠」とする。 交友会誌『• 12月、『尚志会雑誌』第三号に「行雲流水」を発表。 土井 晩翠 4月、第一詩集『天地有情』刊行。 12月、• 3月、晩翠• 5月、第二詩集『暁鐘』刊行。 6月、• 1月、• 10月、• 5月、第四詩集『曙光』刊行。 11月、『晩翠詩集』刊行。 4月、 （• 東北帝国大学（現在の• 8月、第六詩集『アジアに叫ぶ』刊行。 長女の照子が死去• 3月、（旧制）第二高等学校を定年退官。 9月、 つちゐと發音し来たが（中略） どゐに改音する」とつづる• 11月、• 次女の信子が死去• 教え子など市民有志の後援会「晩翠会」から、本荒町の旧居跡に 北緯38度15分33. 9秒 東経140度52分9. 259417度 東経140. 259417; 140. 869333 晩翠草堂 ）が建てられ、終の棲家とする。 8月、• 北緯38度15分17. 5秒 東経140度53分34. 254861度 東経140. 254861; 140. 892972 大林寺：土井家墓所 ）に葬られた 家族 [ ] 妻の 作品 土井 晩翠 ] 『帝国文学』『反省雑誌』に掲載した作品をまとめた『天地有情』は、 「荒城の月」の作詩者・作曲者という間柄ながら、晩翠と瀧廉太郎はたった一度だけしか会ったことがない （ 作品一覧 [ ] 土井 晩翠 [ 土井 晩翠 『天地有情』• 『暁鐘』有千閣、佐養書店、1901年5月• 『東海遊子吟』• 『曙光』• 『天馬の道に』博文館、1920年5月• 『アジアに叫ぶ』博文館、1932年8月• 『雨の降る日は天気が悪い』1934年（随筆集）• 『神風』• 『晩翠放談 - 77年を語る』 翻訳 [ ]• トーマス・カーライル『鬼臭先生・• ホメロス『 主な校歌等 [ ]• 旧制・群馬県立太田中学校（1904年、現在の• 旧制・千葉県立木更津中学校（1917年、現在の• 旧制・• 旧制・• 旧制・• 旧制・• 旧制・山形県立• 旧制・• 土井 晩翠 旧制・• 旧制・• 旧制・• 旧制・• 旧制・高輪中学校 高輪商業学校 1935年 創立50周年時に制定、現在の• 旧制・郁文館中学校（現在の• 旧制・仙台商業学校（1914年、現在の• 旧制・大 ブラウン オーラル b 価格